「おもしろそう」から始まったBiBiO

正直に言います。最初は、そんなに深く考えていませんでした。

アダルトグッズとかプレジャーアイテムって、おもしろいじゃないですか。

タブーとされているけど、みんな気になっている。

真剣に語られることもなくて、でも確実に需要がある。

そのギャップが、なんかおかしくて、おもしろくて。

「じゃあ、作っちゃお!」
BiBiOの出発点は、そのくらい軽いノリでした。

Beginning of BiBiO

女友達に話したとき、何かが変わった

ブランドのコンセプトを少しずつ固めながら、周りの女友達にこっそり話してみました。

「アダルトグッズのブランドをやろうと思ってるんだけど」と。

想像していたのは「え〜、大丈夫?」という反応でした。

でも実際はまったく違いました。

「それ、私も欲しかった」

「ちょうどそういうこと、パートナーと話せなくて悩んでた」

「どんなものになるの?使い方とか教えてほしい」

次々と、本音が出てきたんです。

笑いながらも、真剣に。

友達ひとりひとりの言葉の中に、リアルな困りごとと、隠してきた興味と、
「誰かと話したかった」という気持ちが詰まっていました。

その瞬間に、何かが変わりました。

使命は、あとからついてきた

「おもしろそうだからやる」だったものが、
「これはやらなきゃいけない」に変わっていきました。

セクシュアルウェルネスの話って、日本ではまだほとんど語られていません。

学校でも家庭でもあまり教えてくれない。

メディアでも扱われない。

だから、多くの女性が「自分の欲求を持っていいのか」
「パートナーにどう伝えればいいのか」すら、わからないままでいる。

そのギャップを埋めたい。

恥じゃなくて、普通のこととして話せる場所をつくりたい。

BiBiOがアダルトグッズではなくで、「ベッドジュエリー」と定義しているのは、そのためです。

性を時に過激に、消費するアダルトグッズではなく、
愛し合う人たちのラブシーンを、脇役としてより彩るジュエリーで脇役です。

そのくらい、大切に、美しく扱われるべきものだと思っているからです。

目指しているのは、関係の豊かさ

BiBiOが本当に届けたいのは、商品そのものではありません。

パートナーと本音で話せること。

自分の気持ちを言葉にできること。

ふたりの時間が、もっと豊かになること。

そういったことが当たり前に語られる文化を、少しずつ作っていきたいと思っています。

最初は「おもしろそう」で始めました。

でも今は、これが自分たちにしかできない仕事だと感じています。

女友達が教えてくれた本音が、BiBiOの根っこにあります。


BiBiO(ビビオ)は、女性と、パートナーシップと、
日本文化の美しさを大切にしたブランドです。

4年かけて目指した「ステータス」になるプレジャー製品

BiBiOの開発には、約4年の時間がかかりました。

振り返ると、遠回りばかりで
全く効率の良い進み方ではなかったと思います。

当時20代半ばだった私にとっての「大金」を使ったのに、何も開発が進まなかったり。
とにかく沢山の失敗がありました。

それでも、どうしても譲れなかったものがあります。

「上品な性の文化を体現したい」

それが、開発のすべての始まりでした。

私はもともと、
ものづくりの業界にいた人間ではありません。

工場の探し方も、
製造の流れも、
原価の考え方すら分からない状態からのスタートでした。

けれど、だからこそ、
普通の作り方を知らなかったことが、
逆にBiBiOらしさにつながったのかもしれません。

開発より先に、デザインがあった

一般的な機械系などものづくりは
機能や構造から先に決め、
そこに合わせてデザインを整えていくことが多いと言われます。

しかしBiBiOは、
まったく逆の順番でした。

まず最初に考えたのは、
「どう在ってほしいか」です。

ベッドの上で浮かないこと。
使っている瞬間だけではなく、
その前後の空気も、気持ちが途切れずに自然に馴染むこと。

それは全て、性のイメージを品よく健全にしたいという起業当時からの思いを元に
持っていることがスターテスになるプレジャーアイテム」を形にする執念でもありました。

だからこそ、BiBiOはデザインを決めることからプロジェクトは始まり
デザイン制作⇨開発チーム&工場探し⇨開発&生産
の順番でここまで来ました。

参考にしたのは、ハイブランドの世界

これまでのアダルトグッズには、
どこか現実に引き戻される瞬間があると感じていました。

機械的な見た目。
強すぎたり大きすぎる存在感。
使い終わったあとに急に訪れる現実感。

けれど本来、セルフ・パートナー問わず
全てのラブシーンはもっと美しく、健全なものであり
心地い感情の延長線上にあるべきものだと思います。

だからこそ、
BiBiOは「ベッドジュエリー」という考え方にたどり着きました。

デザインを考える上で参考にしたのは、
アダルトグッズの市場ではなく、
デザインからものづくりをはじめる、ハイブランドやジュエリーの世界です。

本当に文化を変えたいなら、
まず見た瞬間の印象から変えなければいけないと思いました。

「これなら触れてみたい」
「これなら持っていたい」

そう思えることが、
タブーをほどく第一歩になると考えたからです。

そして私は、
どうせやるなら本物をつくりたいと思いました。

だからこそ、
世界的に活躍する一流のデザイナーに
お願いすることを決めました。

世界的に見ても
アダルトグッズ市場やセルフプレジャーアイテムにおいて
有名なデザイナーがデザインするプロジェクトはありません。

けれど、「今までにない価値観」をつくるなら、
中途半端なものでは意味がないと思っていました。

BiBiOのデザイナー Xは、
建築・アート・インテリアの分野で世界的に評価される日本人デザイナーです。

今回のプロジェクトでは、作品そのものに語らせるため、自らの名を伏せています。
ファーストエディションは、イヴ・クライン・ブルーの大胆な精神に着想を得て
唯一無二のBiBiOの製品が生まれました。

日本での開発は、一度断念した

一方で、開発自体は決して順調ではありませんでした。

最初は、出来上がったデザインを手に
日本国内でエンジニアや工場を探し、半年ほどかけて開発を進めていました。

けれど、デザイン性と機能性を両立することは非常に難しく、
最終的には、原料だけで1個8,000円ほどかかると言われ、
現実的な価格では製品化できないことが分かりました。

そこから、完全に振り出しに戻りました。


中国での開発

そして次に挑戦したのが、中国での工場探しでした。

私は中国語も話せず、製造の知識もありませんでした。
それでも、人づてに繋がりを探し、何度も連絡を取り、工場を探し続けました。

周囲からは、「騙されているんじゃないか」
「危ないからやめた方がいい」そんなふうに言われることもありました。

それでも、どうしても形にしたかった。

何度も何度も中国チームとの打ち合わせを重ね
沢山の試作品を試し、約1年半をかけて、ようやく最初のBiBiOが完成しました。

BiBiOは、価値観を形にする挑戦

私たちが作りたかったのは、
ただ「使えるプロダクト」ではありません。

手に取った瞬間から、
使っている時間、
そして使い終わったあとまで。

そのすべてを含めて、
気持ちが途切れない体験を作りたいと思っていました。

だからこそBiBiOは、
アダルトグッズ特有の強い主張や、機械的なデザインを極力なくしています。

ベッドサイドに自然に置けること。
触れたくなること。
思わず誰かに見せたくなること。

その感覚を大切にしました。

また、機能についても、
強さを追求しすぎないことを意識しています。

刺激を与えることだけが目的ではなく、
心や空気感を壊さず、自分や相手と向き合う時間に自然に馴染むこと。

BiBiOは、あくまで「脇役」です。
主役は、人と人との感情や関係性。

だからこそ、
強すぎる機能や存在感ではなく、繊細さや余白を大切にしています。

私たちは、性をただ消費するものではなく、
自分自身や大切な人を、丁寧に扱うための時間だと考えています。

BiBiOは、その価値観を、
デザインと体験を通して形にするための挑戦です。

ビジネスでありつつも、「啓蒙」

BiBiOを続ける中で、
ふと立ち止まって考えることがあります。

これは、本当にビジネスなのだろうか、と。

もちろん、お金を銀行から借りて、事業計画を作り
製品を企画開発し、販売している以上、形としてはビジネスです。

けれど、私の心の根底にあるものは、
単なる売上や拡大ではないと確信しています。

私がやっていることは、もしかすると、「性を、親しい人の間で健全にする」
そのための、啓蒙や、小さな社会運動なのかもしれません。

私は中学生の頃、洗脳近い形で、訳もわからずに性暴力を受けていたことがあり、
自分でも理解しきれない違和感を抱えたことがありました。

当時はそれが何なのか分からず、
ただ流されるように時間が過ぎていきました。

大学生になり、この時の加害者と道ですれ違ったことをきっかけに、その記憶と向き合ったとき、
初めて、自分が何を経験していたのかを理解しました。

そのときに感じたのは、単なる知識不足ではなく、
「何が健全で、何がそうでないのか」それを考えるための環境がなかったこと。

そして、子供ながらに、何かを感じて
家族だけでなく、誰にも相談できない空気があったことでした。

日本では、性はどこか極端に扱われています。

一方では、タブーとして語られないもの。
もう一方では、刺激的な娯楽として消費されるもの。

そのどちらにも、「丁寧に扱う」という視点が欠けているように感じていました。

けれど本来、性欲は人間の三大欲求のひとつであり、
心や身体の状態と深く結びついた、健康にとても重要なものです。

実際にWHO(世界保健機関)においても、
Sexual wellness = 性的なことにおいて、身体・感情・精神・社会的に良好な状態と定義され
単に病気や機能の問題がない状態ではなく、
身体的・精神的・社会的に満たされた状態であると定義されています。

それにも関わらず、性について自然に話すことも、
健全に理解することも難しい。

この状況に、私は強い違和感を持つようになりました。

そして同時に、海外の方と関わる中で、
日本文化そのものに対する大きな尊敬を目の当たりにしました。

その中で知ったのが、江戸時代の文化でした。

・春画が「家宝」や「お守り」として扱われていたこと。

・恋文や香りなど、愛情表現そのものが美しく芸術的に存在していたこと。

現代よりもむしろ、性が自然で、粋な形で存在していたのではないかと、
感じるようになりました。

だからこそ私は、江戸時代の洒落っ気と大胆さ、色気の混ざった
粋のある性の文化を現代にもう一度取り戻したい
と思うようになりました。

性を親しい人の間で、健全にオープンに

性を、隠すものでも、
消費するものでもなく、
丁寧に、美しく扱うものとして。

BiBiOは、そのためのひとつの手段です。

製品そのものよりも、その背景にある考え方や、体験のあり方を届けたい。

セルフプレジャーであっても、パートナーとの時間であっても、
その時間が、「自分や相手を大切にできた」と感じられるものであってほしい。

その感覚が、少しずつ自己肯定感や、
人との関係性の質を変えていくと信じています。

私は、ただ商品を売りたいわけではありません。

性を、もっと健全に。
もっと美しく。
そして、もっと大切に扱えるものへ。

その価値観を、少しずつ広げていきたいと思っています。

BiBiOを選ぶことが、性を大切にするという気持ちを
自分やパートナーに対して、体現することになるように。

だからこれは、ビジネスでありながら、
同時に、社会に対するひとつの提案であり、小さな運動なのかもしれません。

なぜ私は日本の「性文化」を変えたいと思ったのか

私は幼稚園から大学まで、三軒茶屋にある昭和女子大学の附属校に通い、女性に囲まれた学生生活を送ってきました。
大学では、当時モデルの夢があったこともあり、環境デザイン学科でファッションデザインを学びました。
なので、学生時代のほとんどは、女性だけのコミュニティの中で過ごしてきました。

大学卒業後は、男性社員しかいない広告代理店に就職しました。
女性だけの世界で22年間生きてきた私が、社会人になって突然男性社会の中に入ったことで、男女のものの見方や考え方の違いに強いカルチャーショックを受けました。
同時に、それぞれの視点の違いと面白さも知ることになります。

この背景も重なり、私は男性主導の性産業に興味を持つようになりました。
AVなどの動画コンテンツ、風俗などのサービス、アダルトグッズ。
どれを見ても、男性の視点で作られたものが多く、性欲にストレートに応えるモノやサービスが中心だと感じました。

もちろん、これらのサービスやアイテムすべてが悪いとは思っていません。
ただ、女性である自分にとっては、どこか自分向きではない。
そう強く感じたことを覚えています。


同世代の女性から打ち明けられた悩み

そんな中で、性産業に興味を持っていることを友人たちに話していると、想像以上に多くの悩みを打ち明けられるようになりました。

例えばこんな内容です。
・行為がいいと思えない
・彼氏とレスになり、どうしていいかわからない
・オーガズムを感じたことがないし、そもそもどうしたらいいのか分からない
・性に興味はあるがパートナーに話せない
・性病の悩み

こうした話を聞く中で、強く感じたことがあります。
それは、多くの女性が性について話しづらく、相談もしにくい環境にいるということでした。

「性のビジネスを考えていると聞いて、初めて悩みを話せた」
そう言ってくれる友人がほとんどでした。
もちろん、人それぞれ悩みは違います。
すべてを解決することはできません。

それでも、「話しただけで気持ちが軽くなった」と涙ながらに言ってくれた友人もいました。
この経験が、私の中で大きな気づきになりました。

性について、友人同士、恋人やパートナー、家族、そして学校でも。
もっと健全に話せる機会が必要なのではないか。
この瞬間に、BiBiOの活動の根本にある「性文化を変えたい」という想いが生まれました


なぜ「性」はタブーになったのか

次に考えたのは、なぜ性がタブーなものとして扱われるのかということです。
私の仮説はこうです。

学校や家庭などの公共的な場所では、性についてほとんど語られません。
その一方で、インターネットやSNSには、刺激的で下品なコンテンツが大量に溢れています。

このギャップによって、性そのものに下品なイメージが付いてしまっているのではないか。
さらに、どこまでが「普通」なのか、誰も教えてくれない。わからない。

その結果として、性について話すこと自体がタブーになっているのではないかと考えました。

だからこそBiBiOでは、性に対するイメージを上品なものへと変えていきたいと思っています。
そして、家庭や学校でも健全に話すことができる文化を作りたい。
それが、私たちの目指す未来です。


文化を変えるための3つのステップ

もちろん、文化は簡単には変わりません。
だからこそ私は、段階的に変えていく必要があると考えました。

第1段階 
親友やパートナーなど、近い人と、健全に性について話せる

第2段階 
パートナー同士で性について積極的かつ深い内容まで会話ができ、家庭での性教育も当たり前になる

第3段階
学校教育で、時代に合った、十分で健全かつ具体的な性教育が行われる

現在BiBiOが取り組んでいるのは、まず第1段階です。
先ほども書いたように、多くの性の問題の根底には、「タブーな話題で話せない」という問題があると考えています。

そこで、会話のきっかけになるツールとしてのプレジャーグッズを開発しました。

BiBiO Ring(ビビオリング)は、

・初心者でも使いやすいシンプルな機能
・優しいパワーレベル
・ギフトとしても贈れるパッケージ
・美容アイテムのように持てるデザイン

これらをとても大切に設計しています


文化を変えるためのこだわり

性産業がタブー視されてきた背景には、過去に反社会的組織が関与していた歴史もあると思います。

だからこそ私たちは、製造工場、チームメンバー、株主
すべてにおいてクリーンなチームで運営することを徹底しています。

また、これまでの性産業には、女性が「ワクワクできる瞬間」が少ないとも感じていました。

そこでBiBiOでは、世界的に評価を受けるデザイナーとタッグを組み、まるでハイブランドのファッションのように、手にした瞬間の高揚感を大切にしています。


愛することを、もっと美しい文化に

私たちは、性を刺激だけのものとして扱いたいわけではありません。

愛すること。

触れ合うこと。

自分の体を知ること。

それらはすべて、人が幸せに生きるための大切な要素だと思っています。

BiBiOは、「愛することを、美しいものとして扱う文化」を作りたい。

それが、私がBiBiOを立ち上げた理由です。