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いま学び直す、ボディリテラシー

学校でも、家庭でも、教わらなかったことがあります。

顔の手入れの仕方は雑誌にもSNSにも溢れているのに、体のいちばんやわらかい場所については、誰も教えてくれませんでした。悩みがあっても、友人にすら聞けない。そういう方は、少なくないはずです。

今日は、その場所の話をします。

本記事は一般的な情報をお伝えするものであり、診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断で対処せず、産婦人科をご受診ください。

なぜ、話題にしにくいのか

不調があっても言い出せない。病院に行くほどではない気がする。相談すること自体が恥ずかしい。

その感覚は、その方の性格の問題ではありません。この場所について語る言葉を、私たちは与えられてこなかったのです。正式な名称すら、口に出したことがないという方も多いのではないでしょうか。

言葉がないと、症状を説明することもできません。説明できないから、受診も遅れる。恥ずかしさは、そうやって不利益に変わっていきます。

知っておきたい、体のしくみ

ケアの話に入る前に、ひとつだけ押さえておきたいことがあります。

膣の内部には、自浄作用があります。

膣内には常在菌(乳酸菌の一種)が住んでいて、酸を作り出すことで内部を弱酸性に保っています。この酸性の環境が、雑菌の繁殖を抑える防御壁になっている——これが自浄作用と呼ばれるしくみです。

ここから、重要な帰結が導かれます。膣の内部を洗ってはいけない、ということです。

きれいにしようとして内部を洗うと、常在菌まで洗い流してしまい、防御壁が壊れます。結果として、かえって不調を招くことがあります。「洗いすぎ」はむしろ危険です。

ケアの、5つの原則

1. 洗うのは、外側だけ

洗う対象は、外陰部——つまり外から見える部分だけです。指の腹を使って、なでるように。ひだの間に汚れが溜まりやすいので、そこはやさしく広げて。

膣の内部には、指も、シャワーも入れない。これが大前提です。

2. こすらない

ナイロンタオルやスポンジは使いません。皮膚が非常に薄く、摩擦に弱い場所です。

ちなみに、いわゆる「黒ずみ」を気にされる方は多いのですが、色には大きな個人差があり、色が濃いこと自体は異常ではありません。摩擦によって色素沈着が進むことがあるため、こすって明るくしようとするのは逆効果になり得ます。

3. 洗浄料は、弱酸性・低刺激のものを

体を洗う一般的な石鹸は弱アルカリ性のものが多く、この場所の弱酸性の環境とは相性がよくありません。デリケートゾーン専用のもの、あるいは低刺激で弱酸性のものを選びます。

香りの強いもの、殺菌成分の強いものは、避けたほうが無難です。

4. しっかり乾かし、通気をよくする

湿気がこもると、菌が繁殖しやすくなります。入浴後は押さえるようにして水分を取り、完全に乾かしてから下着をつけます。

下着は通気性のよい素材を。ナプキンやおりものシートは、こまめに替えます。長時間つけたままにしないこと。

5. 保湿する

顔と同じように、この場所も乾燥します。年齢やホルモンの変化によって、乾燥しやすくなることもあります。専用の保湿剤を使うことで、かゆみやつっぱりがやわらぐ場合があります。ただし刺激を感じたら、すぐに中止してください。

やらないほうがよいこと

  • 膣内を洗浄する——自浄作用を壊します
  • ボディソープでごしごし洗う——刺激が強すぎます
  • 強い香料や殺菌成分——におい対策のつもりが、不調の原因になることがあります
  • 長時間の締めつけ——通気が悪くなります
  • 自己判断での市販薬の使いすぎ——原因が違えば効きませんし、症状を隠して受診が遅れます

「おりもの」は、異常ではありません

おりものは、自浄作用の一部として自然に分泌されるものです。量や状態は月経周期のなかで変化しますし、体調やストレスでも変わります。あること自体は、正常です。大切なのは、いつもの自分の状態を知っておくこと。基準がわかっていれば、変化に気づけます。

病院に行くべきサイン

以下にあてはまる場合は、セルフケアで様子を見ずに、産婦人科をご受診ください。

  • かゆみや痛みが続く、強くなる
  • おりものの色が明らかに変わった(黄色、緑色、白いかたまり状など)
  • これまでと違う、強いにおいがある
  • 月経以外の出血がある
  • できもの、しこり、ただれがある
  • 性交時に痛みがある
  • 排尿時に痛む

「この程度で行っていいのだろうか」と迷われるかもしれません。迷う段階で、行っていいのです。婦人科は、そのためにあります。

受診の際は、症状がいつから、どのくらい続いているかをメモしていくと伝えやすくなります。言葉にしにくければ、メモを見せるだけでも構いません。

自分の体を知ることは、恥ずかしいことではありません

ケアの方法をお伝えしてきましたが、いちばん大切なのは方法ではないのかもしれません。

自分の体の平常時を知っていること。それが、いちばんの守りになります。いつもの状態を知っている人だけが、いつもと違うことに気づけるからです。

そしてそれは、鏡で見ることや、触れて確かめることを含みます。長いあいだ「見ないもの」「触れないもの」として扱われてきた場所を、自分の一部として引き受け直すこと。

BiBiOが「愛する、を美しく。」という言葉で伝えたいのは、まずそこからです。自分を、そしてお互いを、堂々と愛するために。自分の輪郭を知っている人は、それを大切に扱うことができます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断・治療の代わりとなるものではありません。症状がある場合は必ず医療機関にご相談ください。

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