女性なら、産んだあと、いちばん助けが必要な時期に、いちばん誰にも頼れないことを、産んでから知る方も多いかもしれません。
特に、親と離れて子育てする家庭が増えている今、里帰りができない。夫は仕事に戻る。親には頼りにくい。眠れないまま、一日が過ぎていく。そんなときに、使える「産後ケア事業」という制度があるのをご存知でしょうか。
助産師のいる施設に、宿泊して休むこともできる制度です。
産後ケア事業は、令和3年度から、実施が市区町村の努力義務となっています。費用は国と市町村が半分ずつ負担しており、利用者は自己負担分のみを支払います。令和4年度の時点で、約84%の市区町村が実施していました。皆さんの地域でも使えるかもしれないので、まずは自治体のサイトをご覧ください。
対象になるのは?
出産後1年以内の母子です。つまり、生後半年を過ぎていても、対象になり得ます。「もう遅い」と思って諦めていた方は、一度確認してみてください。上の子の受け入れや、生後4か月以降の子どもを受け入れる施設も設けられています。
「産後ケア」3つのタイプ
ご自身の状況に合わせて選べるよう、3つの型が用意されています。
1.宿泊型
医療機関、助産所、産後ケアセンターなどに実際に泊まってケアを受けるタイプです。
24時間体制で、助産師・保健師・看護師のいずれかが1名以上配置されています。夜間も専門職がいるので安心ですね。利用期間は原則7日以内。市町村が必要と認めた場合には延長できるのが特徴です。宿泊型の最大の特徴は、「眠れる」ということです。ゆっくり赤ちゃんを預けて休むことができるのがママにとっては嬉しいですよね。
2.日帰り
日帰りで施設に通うタイプです。授乳の相談、体のケア、育児のサポートを受けられます。宿泊には抵抗があるけれど、日中だけ誰かに頼りたい。そういう場合に向いています。
3.訪問型
助産師などが自宅に来てくれるタイプです。外出そのものが負担な時期には、現実的な選択肢になります。上の子がいて動きにくい場合にも向いています。
費用と申し込み方法について
自治体によって異なりますが、国の制度として、全世帯を対象とした利用料の減免加算(基準額は1回あたり2,500円)が設けられています。住民税非課税世帯などには、さらに手厚い減免を行っている自治体もあります。宿泊で1泊数千円程度に収まる自治体もあります。
手順は自治体によって違いますが、おおむね次の流れです。
- 「お住まいの自治体名 産後ケア」で検索
- こども家庭センター、または保健センター・保健福祉課などの窓口に相談・申請する
- 利用の可否と、利用できる施設の案内を受ける
- 施設に予約する
妊娠中から申請できる自治体もあります。出産後に調べるのは大変なので産む前に確認できると負担が少ないです。
おわりに
産後の体について、日本人女性の多くは教わらないまま出産を経験します。それだけではなく、頼り方も、教わっていません。休むこと=怠けることではありません。誰かに預けることは、愛情が足りないということでもありません。
自分をいたわることを、後回しにせず、利用できる制度はぜひ女性たちには賢く使ってみていただきたいと思います。また、このコラムを見た男性は女性にぜひシェアしていただけたら嬉しいです。
参考
- こども家庭庁 母子保健(産前・産後サポート事業ガイドライン/産後ケア事業ガイドライン)
- 母子保健法 第17条の2
- ※制度の内容・対象・費用は自治体によって異なります。最新の情報は、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。